わかりやすい環境学習講座 2

わかりやすい環境学習講座

わかりやすい環境学習講座
私たちは何に支えられて生きている?
~多摩の自然と生物多様性~

講師 仙仁 径さん (パルテノン多摩学芸員)

多摩市には多くのボランティア団体があり、それぞれのグループが市のアダプト制度や地権者との協定などの範疇で雑木林/法面/公園など様々な場所で保全活動を行っています。しかし、それら活動は一体、自然環境の保全なのでしょうか、それとも、その地域の環境保護の活動なのでしょうか?皆さんの活動は里山保存が目的なのでしょうか。 また、保護とは、自然環境やその生態系に対するものなのか。人々が健康で文化的な生活をする事と、生物多様性の確保との共存関係は成り立つものなのでしょうか?

パルテノン多摩学芸員 仙仁講師から突き付けられたこの難問を実際にボランティア団体で活躍されている方々がグループ討議を行いました。

講義で配布されたレジュメ 『私たちは何に支えられて生きている?~多摩の自然と生物多様性~』 PDFドキュメント をクリックしてご覧ください。

グループ討論

設問:多摩ニュータウンの緑地が20年後(2035年)にどのような環境になっていてほしいですか?

グ ループ討論のテーマとして仙仁講師の『多摩ニュータウンの緑地が20年後(2035年)にあるべき姿』が設問され、参加者 が発言しやすい少人数グル―プでフリーディスカッションが行われました。短い討議時間にもかかわらず、参加者のほぼ全員、47件の回答をいただきました。それぞれのご意見が、多摩地域の自然環境に対する熱い思いや、機知にとんだ提案になっており、参加いただいた方々の自然環境への意識の高さを実感でき るご回答です。

参加された皆様の答は大別して

  1.  緑地や樹木の管理/保全に関する。
  2. 緑資源の積極的な利用に関する。
  3. 外来種や絶滅危惧に関する。
  4. ニュータウンのコンセプトの維持。
  5. 身の回り環境改善へ市民参加を望む。

等に関する意見が発表されました。

代表的な意見を以下に紹介します。

(緑地や樹木の管理/保全)

■市民の間でもっと話し合いを。法面、公園、道路のみどり。
■緑を維持するため、みんなで保全。
■雑木林剪定や伐採による適切な管理をすることで20年後に明るい緑地を保全する。ただ残せばいいという事ではない。持続可能な緑。

(緑資源の積極的な利用)

■剪定、伐採による枝をどう使っていくかが大切。緑、樹木を利用する出口の開発。
■薪を暖房に使う里山の知恵。
■自然の利用先を考える。肥料、炭焼き。
■生活に活用。生産緑地をもっと身近に。
■公園・緑地の利活用、例として墓地にメモリアル・ツリーを植樹(樹木葬)

(外来種や絶滅危惧)

■交雑してしまっている環境。人為的な外来種による影響から守る。
■自然な形で自生してきたものを保護。
■生物が生きられる環境が大切。
■自然の遷移にまかせる。野生生物にとっては生きにくいが、共生は可能。

(ニュータウンのコンセプト)

■ニュータウンの緑地のイメージ。
■今ぐらいの緑地で残っていてほしい。

(環境改善へ市民参加)

■公共空間をみんなが管理して美しくしよう。
■草むしりなどを近所の人が行う。すべてのことを行政に頼ろうとするのは問題。自分のところしかしないという考えは寂しい。自分たちの街を自分たちで守る。
■周囲の人々の協力で暮らしの管理や環境の管理ができればいい。

講座を終えて 仙仁講師のコメント

「私たちは何に支えられて生きている?」という壮大なテーマをいただき、どのような話をするか悩みましたが、身近な環境と共に生きていた里山の時代と、身近な環境から切り離されている現代の比較、そして自然を守ることに関するトピックを提供させていただきました。

そもそもなぜ自然を守るの?という基本的な疑問に関わる話や、生物多様性などの難しい話もありましたが、多くの方が熱心に聴いて下さり、改めて市民の環境への関心の高さを実感しました。

グループ討論では時間が少なく、なかなか深い議論ができなかったと思いますが、発表では私の想定を越えた幅広い議論が展開されており、ぜひ今回だけで終わらせず、今後も議論を深められたらと思いました。

今回お声掛け下さった環境会議のみなさま、つたない話を聴いて下さったみなさま、本当にありがとうございました。

仙仁 径 SENNI, Kei
公益財団法人多摩市文化振興財団 事業課学芸担当
パルテノン多摩歴史ミュージアム


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